飲食店の売上管理と売上予測、しっかりやれてますか?
この記事でおすすめする売上管理をしていれば、1日の営業の終わりには、人件費や家賃なども差し引いた1日の利益(損失)がわかります。
とくにこれから開業する人は、売上管理だけではなく、正確な売上予測の立て方を覚えて、失敗の確立を下げる必要があります。
どうすれば売上予測は、根拠のあるものになるのでしょう?
まずは、売上予測から見ていきましょう。
商品別&時間帯別の売上予測
売上予測では、お店の商品が何時に、いくつ売れるのかを細かく見ていきます。
商品別、時間帯別の売上予測を、エクセルで簡単に算出できるようにしました。
1日の売上予測から月間の売上予測まで、簡単に計算できます。
シフト作成にも使えますので、ぜひ使ってみてください。

【売上予測エクセルの使い方】
①~③で一日の売上予測とシフトを作成できたら、④で月間の売上予測や利益予測も算出できます。
④のステップの各コスト割合は営業してみないとわかりませんので、まだ開業していない人は、下記の飲食店の基本的な割合を使ってみてください。
原価 | 30% |
人件費 | 30% |
家賃 | 10% |
水光熱費 | 5% |
販売促進費 | 5% |
減価償却費 | 5% |
その他雑費 | 5% |
利益 | 10% |
売上予測エクセルを使うことで、開業時の注意点がわかります。
すでに開店済みのお店も、もう一度売上予測を立て直して、改善点を探してみてください。
売上予測でわかる|店前の通行人数

どの時間帯に、何人がターゲットとして必要なのか、店前の通行人数を把握する必要があります。
当然、各時間帯の売上を考えるときのベースになるのは、店前の通行人数であって、通行人数よりも多くの人が来店してくれるわけがないと考えるべきです。
売上予測でわかる|お店の座席数

時間帯別の売上予測を立てることで、1時間に何人のお客様を収容する必要があるのかがわかりますよね。
座席数はいくつで、何回転させるのかを、物件を探す段階で知っておいてください。
店舗の広さを判断する材料になります。
お店の座席数以上の集客をするためには、テイクアウトやデリバリー、Uber Eatsなどのサービスを取り入れることです。
Uber Eatsについては、下記を読んでください。
売上予測でわかる|仕込み量とスタッフ人数
各時間帯の客数がわかったら、仕込み量も考えられますよね。
また、何人のスタッフがいれば、お店をまわせるのかもわかります。
各時間帯に適切な仕込みとスタッフを配置しましょう。
個人店の場合はできる限り、ワンオペが可能なビジネスモデルを探るべきです。
色々な個人店を見てきましたが、だいたい一人分の人件費がまるまる赤字となっていることが多いです。
売上予測を立てたら、不要な人件費も見えてきますので、人件費の見直しに使ってください。

売上予測でわかる|適正家賃
物件を探している人は、売上予測を立てることによって適正家賃も見えてきます。
一般的な賃料は、売上の10%以内と言われていますが、立地が売上へ与える影響はとても大きいです。
予算を少し超える物件でも、その好立地が売上を押し上げる勝因になる可能性もあります。
物件が変われば、集客人数も変わり、売上予測も変わってくるので、そのたびに時間帯別の売上予測を算出しましょう。
開業前、売上予測の失敗は地獄…

現在、開業に向けて準備中の人へのアドバイスです。
開業前に立てた売上予測よりも、実際の売上が大きく下回った場合(6割以下)は、盛り返すのはとても難しいです。
厳しい話ですが、改善策を考えながらも、撤退も視野に入れてください。
「ビジネスモデルと立地が悪かった」ということもありますが、「売上予測の立て方の失敗」が早期の閉店につながる最大の原因です。

予想より、スタートの売上が悪かった…

3ヵ月で、軌道に乗ると思ってた…
こうして、赤字に耐えられず、1年未満に閉店していくのです。
そうならないためにも、売上予測は慎重に立ててください。
個人店が売上予測を立てるときは、「チェーン店を競合と考えない」ことが重要です。
よくある失敗例を紹介します。

通行人が1時間100人いて、あのチェーン店には20人の来店があるから、うちも同じ20人くらいだろう!!
こういった安易な売上予測を積み上げることで、月間の売上予測は現実とかけ離れた売上になっていきます。
そして、いざ開業してみると、まったく売上が追い付いてこないのです。
日本政策金融公庫の調査では、開店後6割以上の店が、売上予想に到達していないことがわかっています。
すべては、売上予測の立て方の甘さが原因です。
売上予測をたてる場合は、チェーン店を除いて、競合となる店、自分と同じような規模の店を実際に見ながら入力していくことが大切です。
つづいて、売上管理について見ていきましょう。
おすすめの売上管理
売上管理は、現在のお店の状態や売上改善のために欠かせません。
売上管理に求められるのは、正確性と手軽さの2点です。
今回は、売上管理アプリとエクセルの2つを使って、正確に簡単にお店の状況を把握する方法を紹介します。
売上管理アプリ
まずは、売上管理アプリについてです。
家計簿の無料アプリを使う人がいますが、これでは非効率なのでPOSレジを導入しましょう。
タブレットやスマホで会計できる、無料のPOSレジがありますので、POSレジに連携したアプリを導入すれば、売上はリアルタイムで自動登録されていきます。
リクルートが提供する無料のAirレジは一番利用されているPOSレジです。

ボクは、使いたい機能がAirレジにはなかったので、ユビレジを利用していましたが、その効率の良さは「1人分のスタッフを雇う」くらいの仕事をしてくれます。

ユビレジの導入事例として、紹介されたこともあるので、参考までに載せておきますね。
ただし、売上管理アプリでは、コストや利益を管理することができません。
コストや利益までも、把握できるようにするには、日時決算書を使います。
売上管理エクセル
会社では、どれだけの利益を上げたのか年度末に決算書を作成します。
また、1年ではなく、1ヵ月ごとに月次決算書を作成することもあるでしょう。
決算書の作成により、はじめてコストと利益がわかってきます。
この決算書を毎日作って、お店の状況を正確に把握することができる売上管理エクセルがあります。
これが、日時決算書です。
「日次決算シート」には、毎日の営業後に、売上を入力していきます。
「支出シート」には、その日に発生した費用を入力していきます。

たとえば、「支出シート」に家賃25万円、人件費25万円の支払いを入力すると、「日次決算シート」には、営業日数で割った家賃と人件費が自動計算されます。
この場合、25日営業であれば、家賃と人件費ともに1万円ずつ表示されます。
すべてのコストを1日単位で管理することで、1日にいくら売上があれば利益が出るのかが一目でわかります。
ぜひ売上管理エクセルを利用してみてください。
売上予測と売上管理のまとめ

今回は、売上予測の立て方とエクセルを使った売上管理について紹介しました。
開業前の人は、とにかく売上予測を甘く立てないことです。
大げさな話ではなく、売上予測を立てている時点で、あなたのお店の成功か失敗かが分かれています。
売上管理については、とにかく正確さと簡単さが求められます。
紹介したPOSレジに連携した売上管理アプリで、毎日の売上は簡単に管理できます。
そして、売上管理エクセルを使えば、1日1日でどれだけの利益や損失が出ているのかが、すぐにわかるので不安も減少します。
体力的にもハードな飲食店経営。
精神面だけは、落ち着いて経営をしていける助けになれば幸いです。